About Canine Atopic Dermatitis
犬アトピー性皮膚炎って
どんな病気？
犬アトピー性皮膚炎は、ワンちゃんにとって本来無害である
ダニ（ハウスダストマイト）、カビ（真菌）、花粉などが原因物質アレルゲンとなって、皮膚に症状が現れる病気です。
犬アトピー性皮膚炎の主なアレルゲンはダニです。
写真提供：岐阜大学 応用生物科学部 獣医臨床放射線学研究室 前田貞俊教授
どうして症状がでるの？
正常なワンちゃんの皮膚は皮脂と角質によってバリア機能が保たれており、アレルゲンを含む外部からのさまざまな刺激が入ってこないようになっています。ところが、アトピー性皮膚炎のワンちゃんの皮膚はこのバリア機能が低下しているため、アレルゲンが
簡単に皮膚の中に入ってきてしまいます。また症状の悪化因子として細菌、マラセチアなどが関係していると言われています。
出典：犬アトピー性皮膚炎国際調査委員会による標準的治療ガイドライン2010
出典：The ACVD task force on canine atopic dermatitis (XII): The relationship of cutaneous infections to the pathogenesis and clinical course of canine atopic dermatitis.
Veterinary Immunology and Immunopathology;81(3-4):239-49.
犬アトピー性皮膚炎の特徴
以下の項目に5つ以上あてはまる場合、犬アトピー性皮膚炎の可能性が高いといわれています。
獣医師にご相談ください。
犬アトピー性皮膚炎が疑われるか
チェック
- 3歳以下で症状が出た
- 室内で暮らしている
- ステロイドの投与によりかゆみがおさまる
- 見た目はなんともないがかゆがる
- 前足に症状がある
- 耳の外側に症状がある
- 耳の縁には症状がない
- 背中〜腰には症状がない
※症状とは皮膚の赤みや脱毛・かゆみなどを示します
出典：Favrot C, Steffan J, Seewald W, Picco F. A prospective study on the clinical features of chronic canine atopic dermatitis and its diagnosis.
Veterinary Dermatology 2010;21(1):23-31.
犬アトピー性皮膚炎は
どうやって診断されるの？
犬アトピー性皮膚炎と診断されるまでには、問診、皮膚症状を示す他の病気の除外、
原因となるアレルゲンを調べるための検査（血液検査など）を行います。
犬アトピー性皮膚炎の治療には何があるの？
犬アトピー性皮膚炎では獣医師がワンちゃんの症状・飼い主様のライフスタイルに合った治療を行います。
また治療法を組み合わせることもあります。
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- アレルゲンの除去
- 布団干し、部屋の掃除やアレルゲン対策用スプレー、シャンプーなどで皮膚に触れるアレルゲンの量を減らします。
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- 薬物療法
- かゆみを起こす物質や皮膚の赤みを抑えて症状をやわらげる飲み薬や、ぬり薬など様々なお薬があります。
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- 減感作療法
- 減感作療法とは犬アトピー性皮膚炎の原因となっているアレルゲンを体に入れることで症状を和らげる治療法です。少しずつアレルゲンを入れることで、徐々に体をアレルゲンに慣らします。
犬アトピー性皮膚炎は直せるの？
犬アトピー性皮膚炎は治療だけでなくスキンケアとアレルゲンの除去が重要です。
正しい治療、スキンケア、アレルゲンの除去を行うことで症状をコントロールし、ワンちゃんが支障なく日常生活を送ることができます。
アトピー性皮膚炎のワンちゃんは皮膚バリア機能が低下しているため、バリア機能を回復させるスキンケアが大切です。
またダニやカビ、花粉などのアレルゲンを除去することも重要です。悪化因子としては細菌やマラセチアが知られています。
アレルゲンを減らすためには何をすればよいの？
アレルゲンになるダニは、目に見えないほどの小さなダニです。ダニはフケ、ホコリ、カビなどをエサに生きています。
ダニの発生ピークは７～９月で、ダニにとって快適な環境である家の中では1年中ダニが発生してしまうこともあります。
生きているダニだけでなくダニの糞や死骸もアレルゲンとなるため、洗濯や掃除がアレルゲンの除去として効果的です。
ダニが多い場所は布団、じゅうたん、布製ソファー、ぬいぐるみ、クッションなどです。
アレルゲン除去に効果的な
お掃除方法
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- 布団
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布団は天日干しや布団乾燥させます。その後は掃除機をかけ表面のダニや死骸を取り除きます。
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- 床の掃除
- 掃除機は丁寧にかけましょう。ダニが発生しにくい床材はフローリングです。じゅうたんを使用せざるを得ないご家庭では掃除機は丁寧にかけましょう。
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- 布製ソファー
- 布製ソファーはダニが発生しやすい場所です。できる限り革製または合成革のソファーを選びましょう。
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- ぬいぐるみ
- 不要なぬいぐるみは処分しましょう。ぬいぐるみは丸洗い可能なものを選び、こまめに洗濯するようにしましょう。
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- カーテン
- カーテンにはホコリが付きやすいので定期的に洗いましょう。
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- 観葉植物
- 観葉植物はカビが発生しやすいので不要な観葉植物は処分しましょう。
スキンケアのための
上手なシャンプー
皮膚にトラブルを抱えるワンちゃんのためのシャンプー方法をご紹介します。
監修：アイデックス ラボラトリーズ株式会社 関口麻衣子先生
